ピンク・フロイド / 狂気 (1973)
Pink Floyd / Dark Side of the Moon
ボックス・セット発売情報が出て『狂気』が盛り上がってきているついでに。もういっちょいってみよう。
『狂気』を聴いていて、以前から思っていたことを…
あ、ちょっとキミキミ!プログレッシヴ・ロックについて書くからって、オイラ高校時代に、テストでリアルに学年ビリをとったことがあるんだから、あまりプログレッシヴな話を期待してはいかんよ!
twitterで先にちょこっとつぶやいたんだけどさあ、このアルバムをターンテーブルに乗せて再生を始めると、まずサウンド・コラージュと狂った叫び声が聴こえてくるじゃない。『スピーク・トゥ・ミー(Speak To Me)』、これが世界観への入り口ね。でもまだ、ほんの入り口。
で、『生命の息吹(Breathe)』に移って、なんかフワフワと漂っていたら、『走り回って(On The Run)』で強引に引きずり込まれるワケだ。それでも、ここまでなら引き帰せるのよ。
そしたら突然時計のベルが鳴り、鐘が乱打されて、『タイム(Time)』のイントロが始まる。そしたら、そしたらその後。
うわーーーーーーーーーーーーーーーーっっーーーーーーーーーーーー!!
ここで鳴ってる、このパーカッション!パーカッションにかかてるリバーヴね。このリバーヴの深さ。なんかさあ、アルバムの入り口から進んできて、核心に向かって歩いている通路、トンネル?の広さが分かるじゃん。これ、リバーヴがかかっていなくても、深すぎてもたぶんダメなんだよね。このテイクのこの感じ。この薄暗い通路を歩いていたらもう戻れないんだよ。そしたらラストの『狂気日食(Eclipse)』が終わってハッと目が覚めるまで、アルバムの世界観に浸るしかないというワケさ。
いろいろあるロックの名盤、その中でも『狂気』はメロディ、歌詞、アレンジ、コンセプトのどれもが凄いのに加えて、サウンド・プロダクションがもう奇跡的で、デヴィッド・ギルモアが弾くギターにかかっているトレモロ、モジュレーション系エフェクターの揺れ具合とか、曲が変るときのクロス・フェードのタイミングとか、もうツマミを右にも左にも、フェーダーを上にも下にも動かせないぐらいのバランスで成り立っているんだなあ。
とか、思っていたんだけど。え?この話、あんまし面白くない??
あ、そっ…。
![]() | Dark Side of the Moon
(2011/09/26) |