Psychodelicious / Big Love (1996)
カジノ・ドライヴが解散し、次はソロ・プロジェクトでの活動になるということで「いったいどんな音になるのか?」と思っていたところ、アルバムに先駆けて届けられた先行シングルは「I Love~」と、自分の愛するモノが終始列挙されているというリフレインのみで構成されている摩訶不思議なナンバーだった。
レッド・ウォーリアーズ等のロックが原動力としている反抗精神のパワーとは真逆の、肯定のパワー、地球、宇宙規模の“Love”を唱えるこの曲は、シャケのキャリアのなかで何度目かのターニング・ポイントになっていると思われる。
カップリングとして、オリジナル・ヴァージョンの他に田中フミヤ&山本アキヲ、Audio Activeによるリミックスが収録されている。サイケデリック・ロックと電子音楽の親和性もあって、興味深い組み合わせではある。だが、こういったヴァージョンはダンス・フロアで流れてナンボだと思う。当時どこかで実際に活用されていたかといえば、そこは疑問である。あくまで異文化とのファースト・コンタクトといったところか。
シャケは1996年当時より現在の方が、ロックの型から開放された活動をしているしファンの方も「レッズは気が向いたときに楽しくやってくれればいい」と思っている(…と、私は思っているんだけど)ので、この曲への評価もリリース時より今の方が正当なものになっている気がする。
BIG LOVE
(1996/02/21) PSYCHODELICIOUS |