ジェフ・ゴールドスミス日記

ファッションとグルメ以外のこと。

表参道軟派ストリート

ワイルドハーツ / P.H.U.Q. (1995)

The Wildhearts / P.H.U.Q.

 

冒頭の『アイ・ワナ・ゴー・ホエア・ザ・ピープル・ゴー(I Wanna Go Where The People Go)』がとにかく必殺すぎる。

覚えやすいメロディ、シンガロングに対応し、絶妙なコーラスワーク、ギターのエッジが立ち、ドライヴしている。売れるロックの要素がこれでもかと詰まっている。

実際どのくらい売れたのだろう?たしかチャート・アクションは良かったと思うが、同じ年にオアシスの『モーニング・グローリー』という、当時の英国ロック・シーンを象徴するようなモンスター・アルバムがリリースされているのだ。まあそこと比べてもしょうがないし、あまり数字のことを言のもイヤらしいが、ジンジャーは作曲の才能に見合った成功を収めていないような気がするんだよなあ。ビッグなアーティストはバンドの運営、セルフ・マネジメントも才能のうちか。

度重なるメンバー・チェンジやレコード会社とのゴタゴタなどといった要素がもったいない。

アルバムに話を戻すと、前半部は前述した『アイ・ワナ・ゴー・ホエア・ザ・ピープル・ゴー』をはじめとして“ポップなメロディをラウドな音で鳴らすパンキッシュなハードロック・バンド”として、これ以上ないような完成度を誇る。

そして、中盤以降はダークでプログレッシヴな展開を持つタイプやスラッシュもしくはハードコア的要素を持った曲、あるいは7分超の長尺な曲が2曲も含まれるなど、一筋縄ではいかない感じだ。

適度にコンパクトな曲を詰め込んで起承転結をつけ、無難にまとめればもっとウケがいいのかもしれないが、そんな一筋縄ではいかない壊れっぷりがファンから愛され、心を掴んで離さないのかもしれん・・・ん?そんなことあんの?ないかも。

どっちだよ!知らん。

P.H.U.QP.H.U.Q

(1995/06/10)

ワイルドハーツ

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