テレンス・トレント・ダービー / シンフォニー・オア・ダム (1993)
Terence Trent D'Arby / Symphony or Damn
テレンス・トレント・ダービーの名を知ったのはスティーヴィー・サラスが彼のツアーに参加したというのをサラスのアルバム、『エレクトリック・パウワウ』のライナーで読んだときだ。
一聴してその“変さ”に惹かれた。
ロックを演る黒人ミュージシャンという位置付けだが、ブラック・ミュージック、ロック、ポップといったそれぞれの音楽が持つエッセンスを上手く掛け合わせるにあたって、その交わる点の位置がジミヘン、プリンス、レニー・クラヴィッツらの誰とも違う、彼独特の場所にあって、それがかっこよかった。
ゴスペル的な要素やダンサブルな部分、ハード・ロック的なパッションとポップスの感覚が「そこかよ!」という地点で交差していて、面白い。
とくにこのアルバムは彼の天才ぶりが発揮されていて素晴らしいが、その後はレコード会社とのゴタゴタなどで勢いがなくなってしまったのが残念。
さらに後、2001年からは“サナンダ・マイトレイヤ”と改名して活動しているようだ。
Symphony Or Damn
(1993/05/11) Terence Trent D\'Arby |