ジェフ・ゴールドスミス日記

ファッションとグルメ以外のこと。

浪人まかり通る

レイ・チャールズ / ア・ソング・フォーユー (1993)

Ray Charles / My World

このアルバムを買ったのは、ポール・サイモンの『時の流れに(Still Crazy After All These Years)』が収録されているからで、何故その曲が聴きたくなったのかというと、村上龍の小説『69 sixty nine』のエンディング、主人公のケンにとてつもなく甘酸っぱい想い出を残して去っていったレディ・ジェーン=松井和子からの手紙にこの曲の歌詞がタイプ・ライターで打ってあったという描写があったからである・・・って、どんなメンタリティで買ってんだよ!

このおセンチさんが!

そして、何故ポール・サイモンではなくレイ・チャールズのヴァージョンを購入したのか・・・忘れた。

なんでだっけ・・・?

当時はネット検索もなく、CDショップの店頭でもデータ端末による検索機もまだ無かった時代なのだが、どうやってレイ・チャールズのヴァージョンにたどり着いたのか・・・

ポール・サイモンのオリジナル・ヴァージョンはその後レンタルで見つけて借りた。

エリック・クラプトンビリー・プレストンタワー・オブ・パワーのリー・ソーンバーグらが参加しているこのアルバム。当時レイ・チャールズは62歳だが、打ち込みやスクラッチなど、当時にしてわりと新しめの音作りが入った曲の中で、彼の歌から溢れるファンキーなノリがグルーヴを牽引していてあらためてその力量に驚く。

まあR&Bの第一人者なのだから当たり前といえば当たり前だが。

実際のレコーディングは、リズム・トラックから上モノへと録音していくので、歌を入れるのは最後になっているのだろうから、ヴォーカルがリズム隊をはじめとする楽器陣に合わせてノリを出しているはず。しかし、完成した出音を聴くとレイの歌が全体のノリを引っ張っているのだ。

アルバムの中でレオン・ラッセル『ア・ソング・フォー・ユー(A Song For You)』も取り上げていて、レイはこの名バラードを見事に歌い上げているのだが、このアルバムは原題が『My World』なのに、何故か邦題だと『ア・ソング・フォー・ユー』となっている。

これは、バラードで、有名な曲の名を押すことで日本で売れやすいようにするとの、日本のレコード会社による配慮だろうか。

My WorldMy World

(1995/01/25)

Ray CharlesRay Charles

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ア・ソング・フォー・ユーア・ソング・フォー・ユー

(1993/03/10)

レイ・チャールズ

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