ピンク・フロイド / P.U.L.S.E (1995)
Pink Floyd / Pulse
「ロジャー・ウォーターズが抜けてしまったピンク・フロイドと、ロジャーのソロとではどちらがエラいか」とゆう問いに対しては、「どちらも埋められない欠落があって、結局あの四人が揃っていたのが凄いんだ」という答えしか出てこないワケだが、音の再現性に勝るデヴィッド・ギルモア率いるピンク・フロイドの方が聴いていて気持ちいいというところではある。
ロジャーのライヴ・アルバム『イン・ザ・フレッシュ(In the Flesh Live)』に収録されている『コンフォタブリー・ナム(Comfortably Numb)』と、この『P.U.L.S.E』に入っているヴァージョンを聞き比べると、ロジャーの方はぶっちゃけ気持ちよくなかった。
アレンジが大きく違うわけでもないが、演奏している人が違うと感じ方がまったく違う。
エンディングのギター・ソロはどちらも泣きのギターなのに、ギルモアとの差は歴然だった。
アルバム『狂気』の全曲再現まで収録されている、『P.U.L.S.E』は発売してから数年の間、かなり頻繁に聴いた。
音として気持がいいから。
3人が“ピンク・フロイド”とゆう看板でやっているということも大きい。ロジャーとの裁判に負けていたら“ギルモア、ライト&メイスン”などとなっていたのだろうか?
それだとちょっと印象が変わってしまう。
音の再現性が高いために3人になったフロイドにアドバンテージがあったが、だからといって無条件で崇めるということではない。バンドの頭脳であったロジャーが不在というのは動かしがたい、とても大きな事実である。さすがのアンポンタンなボクチンでも、「出音がよければロジャー・ウォーターズなんていらないよ~ん」なんて思わない。
要するにだ・・・仲良くしようよ!ということなんだが、クイーンやドアーズなど、どうやっても替えのききそうにないフロント・マンが故人となってしまったバンドが再結成しても(クイーンは正式に解散してないけど)、ピンク・フロイドの確執は絶対解けないだろうと思っていたら、“LIVE8”で再結成が実現してしまった。
そして、リチャード・ライトが他界し、今度こそ本当に4人のピンク・フロイドは永遠に観ることが出来なくなった。
p・u・l・s・e(紙ジャケット仕様)
(2005/05/18) |
驚異 [DVD]
(2006/09/27) |