ドゥーム / ゴー・マッド・ユアセルフ!(1986)
DOOM / Go Mad Yourself!
7inchサイズではあるが4曲収録のこの作品、リリースされた1986年という時代と、バンドが結成から1年も経っていない時期に製作された、Doomのレコードとして初のアイテム(デモ・テープが前にあった)とゆうことを考えると、尋常ではない圧倒的な完成度だとあらためて感じる。
プログレ、ジャズ、フュージョンといったテクニカルな音楽を吸収しつつ、それをスラッシュ・メタルのスピード、激しさ、音圧で吐き出すとゆう、こんなスタイルは当時のメタル・シーンでかなりの異彩を放っていた。
それをトリオ編成でやっているのだから凄いとしか言いようがない。
中でも圧巻なのは諸田のベースが唸りまくる3曲目『Why!?』だろう。
“凄い!”ということは分かるが、一聴しただけではベースのフレーズが何をどうやって形作られているのかが分からない(10回聴いても分からなかったけど)。
テクニック的な高度さと、それを上回る衝動が一度に襲ってくるので脳内の処理が大変だ。
このレコードがリリースされた翌年、埼玉会館で開催された『HEAVY METAL DAYS Vol.6』”で体験した彼らのライヴはホラー映画と海山塾とアングラで過激なロックを同時に観ているといった感覚だった。
けっして“会場全体大盛り上がり”という感じではなかったと記憶している。
他にスラッシュ勢の参加がなく、客層が少し違ったということもあるかもしれない。
大ホールで椅子席とゆう環境も作用したかもしれない(これはどのバンドも同じ条件だが、この日ホールでのトリオ編成のバンドはDoomだけだった)。
それよりなにより、ウケるウケない以前に、その超絶パフォーマンスを前にして、その場にいる皆が立ち尽くして唖然と見守るしかなかったというのが正しい解釈だろう。
No More Pain
(1995/01/01) |
Complicated Mind
(2007/01/24) |