ジェフ・ゴールドスミス日記

ファッションとグルメ以外のこと。

酔わせてよ今夜だけ

ジミ・ヘンドリックス/ヴァリーズ・オブ・ネプチューン (2010)

Jimi Hendrix/Valleys of Neptune

2010年に新譜ってなんだ!レコード会社移籍って本人知らないだろ!

・・・というのはともかく、今になってもこのクォリティで新しいアルバムが聴けるのはうれしい。

ジミも、ノエル・レディングも、ミッチ・ミッチェル、バディ・マイルスも、もういないんだなあ。

“奇跡の未発表アルバム”と銘打たれているが、もちろんアルバムとして、生前のモノのような統一感は感じられない。一緒に演奏しているミュージシャンも曲によって違う。では、単に参考資料的価値しかないかとゆうと、やはりそこにはちゃんとジミの音楽が息づいており、ジミ本人がジャッジできない今、エディ・クレイマーが現状で可能な限り上手くまとめてくれている。

『ファイア(Fire)』や『レッド・ハウス(Red House)』は、デビュー当時の演奏との違いを聴くのも楽しいし、『ファースト・レイズ・オブ・ザ・ニュー・ライジング・サン(First Rays Of The New Rising Sun)』、『サウス・サターン・デルタ(South Saturn Delta)』やボックス・セットに収録されていた曲との関係性・・・違うタイトルの曲から発展してきたモノ、このアルバムのヴァージョンから発展していったモノなど、その変貌振りが興味深い。

残された録音はまだまだあるらしいので、それがオフィシャル作品としてのリリースに耐えうる演奏や録音状態のアイテムがどれだけあるのか、さらにどこまで必然性のあるテーマに沿ってまとめること出来るのか、見守りたいところ。

音源がまだあるといっても無限ではないし、かつて音源が乱発されていた頃のように、必然性の薄い形態で出されてもあの世のジミがトホホに思うだろう。歴史的遺産の発掘作業なのか死人の屍で商売をしているのか、関わる人間の責任は重大だ。

ヴァリーズ・オブ・ネプチューンヴァリーズ・オブ・ネプチューン

(2010/03/10)

ジミ・ヘンドリックス

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Valleys of Neptune (Dig)Valleys of Neptune (Dig)

(2010/03/09)

Jimi Hendrix

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