今、“アイコ”といったらやっぱりシンガー・ソング・ライターの“aiko”だろうか。
しかし諸君、L.A.メタルの“ICON”も忘れてはならない。
映画だったら富田靖子の『アイコ十六歳』だな。
あれ?何の話だっけ・・・
ドクタージョン / ガンボ (1972)
Dr. John's Gumbo
『アイコ・アイコ(Iko Iko)』が収録されている、ドクター・ジョンの『ガンボ(Dr. John's Gumbo)』は、ニュー・オリンズの音楽が醸し出す楽しい空気で溢れている。
ニュー・オリンズの名曲たちがどれもドクター・ジョン流に味付けされて煮込まれ、美味しい“ガンボ”になっている。
セカンド・ラインのリズムにジャズのみじん切りを加え、15分ほど弱火で煮込む。ブルースを加え2分ほど熱し、スワンプを加え軽く混ぜ、さらに15分ほど煮込む。R&B、ファンクを入れたところでドクター・ジョンのピアノ振り味を付け、歌と一緒に皿に盛り付ける。
出来上がり。
そしたらなんと楽しいアルバムか。
嗚呼、この1枚だけでニュー・オリンズが分かった気になってきたぞ。じゃあべつに、このままずっと部屋の中でじっとしてればいいや・・・って、そういうことじゃない。
『スタッカ・リー(Stack-A-Lee)』のようにジャズやブルース調でG→B7といったコード進行の曲にはどうも弱い。“底抜けに明るいがB7に移る瞬間、少し切なくなる”ような。フランク・シナトラの『ザッツ・ライフ(That's Life)』などもそうだ。ベタといえばそうだが、この進行でグッときてしまう曲はたくさんあるな。
今にも溶け出しそうなまでにルーズなノリで攻める『サムバディ・チェンジド・ザ・ロック(Somebody Changed The Lock)』を除いてどれもカヴァー曲。
生命力に溢れるニュー・オリンズの音楽を、ドクター・ジョンのセンスで分かりやすく解釈して提示してくれている、楽しい指南書のような作品だ。
結局のところ、アイコといえば、私的には“ロッテの愛甲”を推したいところだが、そんなことを言っても平成生まれの諸君には分かってもらえないと思うので、今日はこのへんで。
ガンボ (2008/12/17) |
Dr. John's Gumbo
(1999/04/08) Dr. John |