パンク・ロックというジャンルが確立する何年も前に、イギー・ポップやルー・リード、MC5などのように過激なサウンドやメッセージを発するアーティストは既に存在した。
そして日本にいたのは頭脳警察。
歪んだベースのリフでスタートする『銃をとれ! ~マラブンタ・バレー』は、日本のロック黎明期において、フォークやロックを飛び越えてパンクの音になっている。「銃をとれ!」と、直接的に訴える過激な左翼ソングは、パンタが感じていた当時の社会に対する苛立ちがそのまま乗り移っているようだ。
一転してアコースティック・サウンドに乗せてヘルマン・ヘッセの詞にメロディを付けて歌う『さようなら世界婦人よ』は究極の詞先ミュージック。
自分を取り巻くまわりの状況をシニカルに描く3コードの軽快なロックンロール、『コミック雑誌なんかいらない』。
外に向かってアジテーションする攻撃的なナンバーに対し、こちらは葛藤する自己の内面を8分以上にわたって切々と吐露する『それでも私は』。
『銃をとれ!』以上にファズの効いたベースがのたうち回る『軍靴の響き』。
結婚式に出席したときに感じる居心地の悪さをコミカルかつ鋭く描写する『いとこの結婚式』・・・
・・・ん?
結婚式ねぇ・・・
そういえば今度、5月にいとこの結婚式があるんだけど・・・
俺は出席しません。
世の中には2種類の人間しかいないんだなぁ
結婚式に出席する人間と、出席しない人間。
結婚式とゆう場に意気揚々と出かけられる人って・・・凄い。
超マッチョ、プロテイン濃縮還元。
パンタ本人だってもう結婚式なんてフツーに出席してるだろうし、俺だってもうこの歌の主人公のような“ワサワサヘアー”じゃないけどね。
でも出席しな~い!しないしないしないっ!!
先割れスプーンみたいに尖っていた思春期からだいぶ経って、もう不惑も近いのに何なんでしょうねこの反社会的感情。
反社会的つっても、爆弾作るとか強盗をはたらくとかオレオレ詐欺集団を組織するとかじゃなくて、結婚式に出席しないとゆう・・・
アルバムの紹介をしきらないうちに脱線し、人格の歪みを露呈しつつ、本題へ戻るような軌道修正をしないまま・・・
お・し・ま・い。
頭脳警察セカンド
(1990/09/21) |
俺たちに明日はない
(2009/11/06) |