ジェフ・ゴールドスミス日記

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『3055』が閉鎖しちゃったので、書いた記事をサルベージするよ。

 

入稿 2014/03/30

 

Alice in Chains / Facelift (1990)

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1. We Die Young
2. Man In The Box
3. Sea Of Sorrow
4. Bleed The Freak
5. I Can't Remember
6. Love, Hate, Love
7. It Ain't Like That
8. Sunshine
9. Put You Down
10. Confusion
11. I Know Something (About You)
12. Real Thing

 

1990年にリリースされた、アリス・イン・チェインズのデビュー・アルバムがこの『Facelift』である。近い時期に同郷シアトルから出てきたグランジ勢、例えばニルヴァーナのパンク通ずる爆発力やパール・ジャムハード・ロック的サウンドに対し、彼らはへヴィ・メタルからの変異という印象がある。ギター・リフやギター・ソロに現れているエッジの立ち方、曲の緻密な構築感あたりにそのルーツが垣間見れるのかもしれない。

評価を決定づけた次のフル・アルバム、『Dirt』の、うねるようなノリと比べると、本作はまだストレートな曲調が多い。その中で、"We Die Young”や"Man In The Box”など、「へヴィかつ陰鬱、それでいてキャッチー」という、アリス・イン・チェインズの骨格となる要素を持ち合わせた楽曲が各所に存在する。それらのような、分かりやすくカッコいい、「新世代のハード・ロック」的な曲がある一方で、アルバムの真ん中に位置する"Love, Hate, Love”は、ある意味本作のハイライトか。今にも演奏が止まってしまいそうな超スロー・テンポで温度を上げていくこの曲は、聴く者をグイグイと狂気の世界に引き込んでいく。

ロックにとって何度目かの転機が訪れた1990年代初頭、アリス・イン・チェインズが発する、病みつきになるようなダークネスはここから始まって、シーンを侵食していった。(Jeff Goldsmith)

 

 

 

Facelift

Facelift