ジェフ・ゴールドスミス日記

ファッションとグルメ以外のこと。

マギーズ・ファーム野茂

『3055』が閉鎖しちゃったので、書いた記事をサルベージするよ。

 

入稿 2013/09/09

 

Black Sabbath / 13 (2013)

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1. End of the Beginning
2. God Is Dead?
3. Loner
4. Zeitgeist
5. Age of Reason
6. Live Forever
7. Damaged Soul
8. Dear Father

 

ブラック・サバスにとって18年ぶりのスタジオ・アルバムとなった『13』。オジー・オズボーン参加のスタジオ・アルバムとしては、なんと35年のインターバルとなる。今回は残念ながらドラマーのビル・ワードが脱退してしまったので、オリジナル・ラインナップがそろっての作品にはならなかったが、代わりにレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのブラッド・ウィルクがサポートとして参加している。

トミー・アイオミの、深く沈み込むようなギター・リフ、重くうねるギーザー・バトラーのベース、そしてオジーの悪魔的歌唱が乗ればそれはブラック・サバスの音。3人はこの事実を見事に客観視して、リスナーの求めるブラック・サバス像を作り上げている。そのような世界の構築に一役買っているのは、本作をプロデュースしているリック・ルービン。オリジナルのブラック・サバスが持っていたマジックを21世紀の作品としてモダンに鳴らしている。なんでも、デビュー・アルバムにあったブルース・フィーリングを再び引き出したかったそうだ。へヴィ・メタルの様式を確立し、後のラウド・ロックに大きな影響を与えた彼らの奥底に流れる血がブルースやジャズだ。感覚としてのブルースを、へヴィに甦らせたのだ。

ブラック・サバスに宿るプリミティヴな衝動、バンド・マジックのようなものに加え、オジーがソロで培ってきたキャッチーなメロディも散りばめられ、毒と大衆性が見事に交わった貫禄の作品といっていいだろう。(Jeff Goldsmith)

 

 

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