ジェフ・ゴールドスミス日記

ファッションとグルメ以外のこと。

マギーズ・ファーム野茂

『3055』が閉鎖しちゃったので、書いた記事をサルベージするよ。

 

入稿 2013/05/08

 

ももいろクローバーZ / 5TH DIMENSION (2013)

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1. Neo STARGATE
2. 仮想ディストピア
3. 猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」
4. 5 The POWER
5. 労働讃歌
6. ゲッダーン!
7. Z女戦争
8. 月と銀紙飛行船
9. BIRTH □ BIRTH
10. 上球物語 -Carpe diem-
11. 宙飛ぶ!お座敷列車
12. サラバ、愛しき悲しみたちよ
13. 灰とダイヤモンド

 

ファースト・アルバム『バトル・アンド・ロマンス』以降、ももいろクローバーZの快進撃、評価の上昇ぶりには目を見張るものがあった。アリーナ、スタジアムクラスの公演も行い、絶対に売れるしかないような状況で、セカンド・アルバムなんとも挑戦的な内容となった。かなりリスキーなチャレンジといってもいい。

今回はどんな音が詰め込んであるのかと思って聴き始めると、アルバムのオープニングはなんとカール・オルフの“カルミナ・ブラーナ”。しかも2分過ぎまでそのまま聴かせてしまうのだ。荘厳なオーバーチュアを引き継ぐ形で本筋へ。この演出、前作のナレーションで語られていた、「小さなお友達、大きなお友達」の、小さなお友達のみんなはちゃんと付いて来ることが出来るのだろうかと心配してしまう。

本作の中に散りばめられている音楽は、アイドル・ポップスからビート・ロック、ヒップホップにトランス、ブラス・ファンク、ビートルズ、果てはシンフォニック・プログレ・メタルと、含有される情報量、ふり幅はかなりのもの。作家陣も布袋寅泰はじめ、「大槻ケンヂとザ・ゴー!チームのイアン・パートン」、「MUROいとうせいこう」といった興味深い合わせで作詞、作曲のコラボレーションが繰り広げられている。

グループの特徴である遊び心を随所に散りばめつつも、今回はストイックな曲調のナンバーが増え、歌詞もシリアスで力のこもったメッセージが多くなっているようだ。それは様々なものを巻き込んで急激に大きくなった、ももいろクローバーZの現状、背負うものを反映してのことだろうか。(Jeff Goldsmith)

 

 

5TH DIMENSION

5TH DIMENSION