ジェフ・ゴールドスミス日記

ファッションとグルメ以外のこと。

マギーズ・ファーム野茂

『3055』が閉鎖しちゃったので、書いた記事をサルベージするよ。

 

入稿 2012/10/03

 

 

The Rolling StonesTattoo You (1981)

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1. Start Me Up
2. Hang Fire
3. Slave
4. Little T&A
5. Black Limousine
6. Neighbours
7. Worried About You
8. Tops
9. Heaven
10. No Use In Crying
11. Waiting On A Friend

 

1981年に発表されたローリング・ストーンズのアルバム『Tatto You』は、過去の作品に収録されなかった曲をまとめた、いわば“寄せ集め”的な作品である。新曲は2曲。古い楽曲は、1972年のものまで遡る。したがって、ロン・ウッドではなく、前任者ミック・テイラーが弾くギターも入っている。そんな雑多な作品だが、これを「アウト・テイクをまとめたコンピレーション」と捉えるストーンズ・ファンはいないだろう。れっきとしたオリジナル・アルバムであり、しかもランク的には傑作の部類に入るという位置づけだと思う。

新旧の曲には9年ほどの時差があるにもかかわらず、その時間軸を無視するかのように、アルバムの雰囲気は驚くほどに統一され、しかも全体を通してモダンな感触さえある。大まかに、レコードのA面がロックンロールとブルージー路線、B面がメロウ、バラードといった感じで分けられている。よくよく考えると、オリジナル・アルバムでそういった極端な並びはあまり見ないが、本作に関してはそれも見事にはまっている。

オープニング・ナンバー『Start Me Up』は、80年代ストーンズを代表するような曲にまでなった。ライヴの定番でもある。それが、録音当時はボツとなっていたなんて、なんとも不思議な話だし、こんな曲が埋もれていたなんて、ストーンズの持つ創作のパワーも思い知らされる。クロージング・ナンバー、『Waiting On A Friend』では、ジャズ界の巨人、ソニー・ロリンズが客演。サックスで見事に華を添えている。(Jeff Goldsmith)

 

 

Tattoo You (Reis)

Tattoo You (Reis)