ジェフ・ゴールドスミス日記

ファッションとグルメ以外のこと。

チョコクロワッサン日記

『3055』が閉鎖しちゃったので、書いた記事をサルベージするよ。

 

入稿 2012/08/02

 

Pink Floyd / Animals (1977)

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1. Pigs On The Wing (Part One)
2. Dogs
3. Pigs (Three Different Ones)
4. Sheep
5. Pigs On The Wing (Part Two)

 

ピンク・フロイドの頭脳であるロジャー・ウォーターズが、自分と世界との間に感じる違和感、その表現は『Dark Side Of The Moon』でひとつの頂点を極めた。ひとつの到達点まで来てしまったロジャーは、次作『Wish You Were Here』で、すでにバンドを去ったシド・バレットへの語りかけといった形をとって答えを探している。そして、この『Animals』では、タイトルどおり人間を動物に例えて、それぞれの立場を皮肉交じりに描き、風刺している。ホワイト・カラーのビジネスマンが犬、資本家が豚、労働者が羊といった具合だ。

アルバム毎に主張が強固になってきたのと比例するように、音の方も初期のサイケデリックな雰囲気はほとんどなくなり、前二作と比べても空間を演出するようなリック・ライトのキーボードは後退。デヴィッド・ギルモアのギターもゆったりと心地よい演奏から、切れ味で勝負といった鋭いものへと変化している。ニック・メイスンのドラムもしかり、これ以上ないような後ノリから、急性なビートを交えたドラミングに変わった。

イマジネーションを掻き立てるような、フワフワとした音の世界から、具体的な存在の音、エッジの効いた音色への変化。それはこの後も、ロジャーとバンドが決別するまで続くこととなる。(Jeff Goldsmith)

 

 

Animals

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