ジェフ・ゴールドスミス日記

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『3055』が閉鎖しちゃったので、書いた記事をサルベージするよ。

入稿 2012/06/14

 

Soundgarden / Superunknown (1994)

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1. Let Me Drown
2. My Wave
3. Fell On Black Days
4. Mailman
5. Superunknown
6. Head Down
7. Black Hole Sun
8. Spoonman
9. Limo Wreck
10. The Day I Tried To Live
11. Kickstand
12. Fresh Tendrils
13. 4th Of July
14. Half
15. Like Suicide

 

グランジ・ムーヴメントを支えたバンドの中でも、このサウンド・ガーデンは、70年代ロックのエッセンスを上手く吸収し、90年代的なセンスで蘇らせたという特徴がある。それはグランジ全般にいえることでもあったが、彼らは特にその傾向が強かった。レッド・ツェッペリンや、ブラック・サバスなどの影響がよく語られるその音は、曲の作りや、楽器の奏法といった表面的なものよりも、先人たちのグルーヴが見事に血肉化され、独自のフィルターを通して、新たな解釈で鳴らされているものだ。そして、そのグルーヴ感には中毒性があり、つい何度もリピートして聴きたくなる魅力がある。

4枚目のスタジオ・アルバムとなった、この『Superunknown』では、楽曲の充実度が最高点に到達、大ヒットとなった。ハイライト・トラックともいえる『Black Hole Sun』は、ハードなリフで押し切るタイプではなく、淡々としたスロー・ナンバー。沈み込むようなトーンが逆にエモーショナルで、聴く者を引き込んでいく。ユラユラと、トレモロがかったギターと、クリス・コーネルの歌が絡みあって、身を任せていると独特の世界観の中に迷い込んでしまう。このように、70分超の大作となったアルバムには、ハードでラウドだけにとどまらない、彼らの多面的な魅力が詰め込まれている。(Jeff Goldsmith)

 

 

Superunknown

Superunknown