ジェフ・ゴールドスミス日記

ファッションとグルメ以外のこと。

(谷)

『3055』が閉鎖しちゃったので、書いた記事をサルベージするよ。

入稿 2011/08/18

 

ももいろクローバーZバトル アンド ロマンス (2011)

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1. Z伝説 ~終わりなき革命~
2. CONTRADICTION
3. ミライボウル
4. ワニとシャンプー
5. ピンキージョーンズ
6. キミノアト
7. D'の純情
8. 天手力男
9. オレンジノート
10. 行くぜっ!怪盗少女
11. スターダストセレナーデ
12. コノウタ
13. ももクロのニッポン万歳!

 

2011年における最新型アイドル・ポップとしてはかなりキテいる、圧倒的な存在感を示すアルバムである。

オープニング、戦隊ヒーロー物のパロディ的ナレーションで、メンバーが一人脱退して5人になり、“ももいろクローバー”から“ももいろクローバーZ”へとグループ名が変わったことに触れており、曲の終わりでは「はたらけ!ももいろクローバーZ!」という叱咤するようなセリフが挿入される。これにはジョン・エントウィッスルが急死してもツアーを続行したザ・フーにも似たショー・ビズのリアリズムを感じる。

さらに、プログレ顔負けの激しいリズム・チェンジを繰り出すナンバー、高速ダブ、日本全国名産ソングなど、一筋縄ではいかない曲群が並ぶ。サンバのリズムに乗りながら、夏休みの最終日に宿題がまったく終わっていない焦りを歌った「ワニとシャンプー」などは、聴いていて思わず仰け反ってしまった。「誰かのせいにはしたくないが、自分のせいにはしたくない」のである。奇麗事では済まされない切迫感だ。

スパイスとして各所にギミック、トリッキーなフレーズが満載。しかし、オーソドックスなナンバーで青春の風景を切り取って、グッとさせる基本もしっかりとおさえているところがニクい。(Jeff Goldsmith)

 

 

バトル アンド ロマンス

バトル アンド ロマンス