ジェフ・ゴールドスミス日記

ファッションとグルメ以外のこと。

Home Of The Hit-Men

と、いうことで自治会長になってしまった俺。4月の総会で引き継ぎ紹介されて正式に新年度の会長職がスタートした。総会では…何があったんだっけ?そこで決めることもあったけどそれは前会長の仕切りだった。俺がやったのは新しい予算案と事業計画案を読み上げることだった。どちらも前会長が作ったもので、事業計画はまあいいとして予算案は項目ごとの金額を読み上げるのに、0の数、桁がいくつかぱっと出なくて何ヶ所かつっかえた。

決まっていた議題に決が出た後、その他意見交換の際にあるおばさんから、事業計画の中にある美化活動の除草に参加する人間が固定化してしまって不公平感があるという発言があった。除草は一応全員参加ということになっていて、不参加には反則金が発生する。まあ反則金払っても出たくないという人間がどんどん増えたということで。現代の日本に蔓延する問題である少子高齢化も大いに関係する。年寄りだけの世帯が多いのだ。そうするともちろん、けっこうな重労働の除草などは参加できないのである。これは総会の中だけで対策の答えが出ないような、根深い問題なのである。そこで、何度も会長をやったことのあるおっさんが、「じゃあこれは新役員に時間をかけて話し合ってもらって、改革してもらおう」とまとめた。昔はこの自治会、人望のあるおっさんが複数年会長を務めるような感じだったのだ。他でもけっこうそうだろう。そして、例にもれずこの自治会、人が入れ替わり、子供が少なくなり、行事が少なくなる過程で役員は完全な輪番制になり、会長はくじで決めるようになった。で、おっさんの改革発言に乗せられて俺は改革しなくちゃなのかなーと思ったのである。これが後々手間っちゃ手間になったんだなあ。

総会の終わった午後、各区画の掲示板に役員名簿を張り付けた。前会長が作ったもので、個人情報保護にちょっと考慮して、役員名のフォントが小さい。小さいって読めるんだから個人情報の保護になってないんだけど。そしたら、新会長である俺の家族が「役員名簿の文字が小さくて読めない!!」と1人の住民にどやされた。俺が作ったんじゃない名簿のために俺本人でなく家族がどやされるといういろいろチグハグかつ理不尽な事態に、「これは面倒な1年間になる…」と戦慄した。俺側からの視点で物語をなぞると大変むかつく話である。ただしまあ、どやした相手は名簿を刷ったのが誰かって俺だと思っているだろうし。前会長も前述したおっさんに相談して文字を小さくしたらしいし、何十人の人間がそれぞれの視点で切り取られた世界で物を見るとこういったことは不可避なのである。

つまり後からではあるが俯瞰で物を見ようと努力する俺が一番偉いって話で今回は締めようと思う。