吉川晃司 / LA VIE EN ROSE (1984)
デビュー・アルバムの『パラシュートが落ちた夏』が84年の3月リリースで、次に出るこれは10月なんだ。ナベプロの社長が「いつ売るの?今でしょ!」って言ったんだな、当時。
前作とのインターバルが短いのに、明らかにスケール・アップしてて、聴きやすい。疾走感が違うんだよ。リズムが違う。前作のドラムにあった、スカスカなところが解消してる。ドラム自体の音処理はそんなに変わらないのかな?ただ、スカスカなところを埋めるように、シーケンサー的なものがそこかしこで鳴ってる。電子ドラムがオーヴァー・ダヴされてたり。8ビートの曲で16のチキチキが差し込まれたり、シングル曲の『サヨナラは八月のララバイ』に至っては、ガラス(コップ?)の割れる音がリズムの一部としてずっと鳴ってんの。ピンク・フロイド『マネー』のレジスターかよ!って。いや、フロイドじゃなくて、もっと近い時代の近い音楽で元ネタあるのかな?俺は知らないんだけど。
何曲弾いてるのか分からないんだけど、ギターが北島健二ってのも、ロック度を上げるのに貢献してるのかな?
アルバム中、一番歌謡曲、アイドルの枠からはみ出していると思う『BIG SLEEP』って、原田真二が作ってるんだ。10曲中3曲を作曲してて、いい仕事してるわ。
LA VIE EN ROSE
(2014/04/23) 吉川晃司 |