ジェフ・ゴールドスミス日記

ファッションとグルメ以外のこと。

ヘル・オア・ハレルヤ

伊坂幸太郎 / 砂漠

 

大学生の合コン、大学生の麻雀、大学生ボウリング、大学生の海水浴、そして大学生の恋愛と、この俺様とはまったく相容れないアイテムが次々と出てくるという、恐ろしい小説だが、さすが伊阪幸太郎の文章は、文字を目で追っいく感触がよく、そこそこ楽しく読めたわけである。

そういえば昔、とある大学の学園祭に侵入したとき、あまりの相容れなさにドビックリしたのであった。当時は全入時代と言われる今ほどではないが、もう大学に行くこと自体はまったく珍しいことではなかった。特別な人間が通う特別な場所ではないのに、空気が異様でドビックリした。もちろん異様な大学ではなく、あれは大学として極一般的な空気だったと思う。なのに。

おっと、小説の方は、そんな俺様と相容れない大学生の日常ばかりを描いているわけではない。小さな事件から大きな事件まで、いろいろ起こる。作者特有の巧みな複線の回収も、「うわーーーーーこうだったか!」というほどでもないがそこそこ面白かった。

あと、本作に度々出てくる麻雀だが、これは好き嫌い以前に、高校時代一度だけ、無理やり参加させられて最初から最後までまったくルールがチンプンカンプンだった。それ以来一回もやっていないのである。

砂漠 (新潮文庫)砂漠 (新潮文庫)

(2010/06/29)

伊坂 幸太郎

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