ジェフ・ゴールドスミス日記

ファッションとグルメ以外のこと。

絶滅黒髪少女

クイーンズライチ / オペレーション:マインドクライム (1988)

Queensrÿche / Operation: Mindcrime

 

CD屋で働いていたときに、どういった経緯か忘れちゃったけど、お客さんとの会話の中で、俺が「クイーンズライチ」という言葉を発する機会があった。するとお客さんは、「クイーンズライクですよ」と、指摘してきた。この出来事があったのは1990年代半ばのことだったと思う。その頃には日本で“Queensrÿche”の発音は、既に“クイーンズライク”になってたらしい。そんな事実を知らされていなかった俺は「クイーンズライチ?」と聞き返した。それに対し、やはりお客さんは「クイーンズライク!」と繰り返した。俺はとっさに、握った拳を、対峙したレジカウンター越しに、そいつの顔面、目と目のちょうど真ん中、鼻の骨が突き出たあたりにぶち込んだ。顔面パンチを見舞われた客は、声にならない声を発し、鼻血で宙に弧を描きながら、仰け反って倒れた。

 

というのはもちろん嘘。というか、必然性のない嘘を書いてしまったが、話は変って、そのCD屋に東南アジア系の外国人が来店し、何を探しているのか俺に「ガリモエ、ガリモエ」と訴えかけてきた。「ガーリー萌えってことか?ガリ萌えで、痩せ専のことか?」と、困惑した俺は、「これに書いてよ」と、紙とボールペンを渡す。すると外国人は「Gary Moore」と書いた。ゲイリー・ムーアのことだった。

後日、同じ外国人がまたやってきて、「ピルジャン!ピルジャン!」と言った。俺が、今度は待ってましたとばかりに、すぐ紙とボールペンを渡すと、外国人は「Perl Jam」と書いた。パール・ジャムのことだったのだ。

さらに話は変って、二つ目に務めたCD屋でのこと。俺が仕事をしていると、若い女の子のスタッフが、お客さんの問い合わせ内容を理解できずに困っていることに気付いた。とりあえず横から、耳をダンボにしてやりとりを聞いていると、スタッフが「アタリキン、アタリキン?」と客さんに聞き返している。「当たり菌って何だ?」と思ったが、よくよくお客さんのいうことを聞いてみるとそれは、アタリ・ティーンエイジ・ライオットのことであった。それはべつに、英語の表記と発音の問題じゃないか…

さらに話は変って、そのCD屋で、俺がDVD売り場を担当していたときのこと。お客さんの問い合わせを聞いて、それを伝えようと駆けてきた、先ほどのコよりもっと若いレジっ子娘が、つぶらな瞳で俺を見上げながら「『ウルトラマンコスモス』は、どこにありますか?」と言って、1.5秒後に、言った自分で吹き出していた。お前、どこで区切ってんだよ。女の子って、フ・シ・ギ…って、これは冒頭の話と全然関係ないんじゃ…?

というわけで、逸れた話を、とくに回収しないまま今回の記事は終わろうとしているのだが、フィル・リノットがフィル・ライノットになったのだって、俺は許可した覚えはないので、俺の中ではずっとフィル・リノットということにしておきたい。

Operation: MindcrimeOperation: Mindcrime

(2003/05/06)

Queensryche

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