ジェフ・ゴールドスミス日記

ファッションとグルメ以外のこと。

メタル・ネイション

JUN SKY WALKER(S) / START (1991)

 

先日、猟盤した中から、ジュンスカだよ。

この『START』は1991年発表、俺にとってのジュンスカは1988年の『ひとつ抱きしめて』で終わっちゃっていた。どのくらい終わっちゃっていたかというと、『START』が出た年、1991年の夏、仙台で恒例行事として開催されていたライヴ・イヴェント“ロックンロールオリンピック”を観に行ったんだよね。それに出演していたジュンスカがステージ上にいるとき、俺は彼らのパフォーマンスををほとんど観ないで他の事をしていたんだな。ロックンロールオリンピックは、サーキットの中でやってるので、ライヴ会場の周りを自動車が走るコースが取り囲んでいて、そこで練習走行しているレーシングカーを眺めていたという…ごめんカズヤ。

で、それ以前はどうだったかというと、思い出した。思い出したよ。メジャーから最初に出したミニ・アルバム『全部このままで』はすげーハマったんだった!その曲が入ったVHSも出ていて、それもすげーリピートした。その流れで『ひとつ抱きしめて』までは、かなり聴いたんだよ。何故って、青春だからだな。 青春だからなんだよー!ここらへんのアイテムって、俺が高校三年生のときにリリースされたから…ジュンスカ初期作品から溢れ出てくる青さと、高校生活の最終コーナーが見えてきたっつう自分の状況がバッキンバッキン!ガッチガッチにリンクして、ハマったんだった。

しかし、青春の残酷さか、若いときってちょっと前の若さを否定したくなっちゃう時期でもあるので、高校を出た後はぱったりと聴かなくなってしまった。

だから、ジュンスカってのは、青春との向き合い方だと思うんだよね。まあプリプリでもパーソンズでも、レピッシュでも、レッド・ウォーリアーズ でも、尾崎豊でも、もっといえばロック全般、青春というか若さと向き合ったものだとは思うんだけど。ジュンスカは基礎となる音がシンプル&ストレートだし言葉のチョイスもそうだから、かなり青春を背負っているんだよね。

だから、リスナーが歳をとることとか、自身の音楽性、バンドのキャリアが長くなって、初期衝動と円熟の狭間でどう展開していくかが難しい。このアルバム『START』でも、従来路線を踏襲している曲に混じって、ミドル・テンポやアコースティック度の高い曲など、新機軸を模索している様子が窺える。ここから、数年後のヨヒト脱退、さらに数年後の解散までの流れって、乱暴に言ってしまえば、リスナーとバンドが大人になっていく上で避けられないものだったんだなあ。それは、誰をプロデューサーに起用しても、CMタイアップでスマッシュ・ヒットがあっても、回避できない問題。

現在、ジュンスカが再結成して往年のファンも喜んでいるつうのは、それぞれ自分の中の青春と向き合える年齢になってきたからかなあ。バンドもファンも、その青春との距離を見誤らなければ、今後もジュンスカジュンスカでいられるんじゃないでしょーか。

STARTSTART

(1991/02/21)

JUN SKY WALKER(S)

商品詳細を見る