ジェフ・ゴールドスミス日記

ファッションとグルメ以外のこと。

Easy悪Rock’n Roll

ZIGZO / MONSTER MUSIC (1999)

 

たしか、最初にシングル曲、『ひまわり』のPVを観て、「けっこういいなあ」と思ったんだった。メンバーそれぞれに、所謂ヴィジュアル系のバンドでキャリアのある人たちが集まって作ったバンドだけど、そのPVから感じたのはもっと別の流れだった。

所属のレコード会社がコロムビアで、TRIADレーベルじゃん。ミッシェルガン・エレファントもいたし、もっと音楽性が近いところだとザ・イエロー・モンキーがいて、ヴィジュアル系というよりは“グラム・ロックを取り入れた日本のロック・バンド”って空気を感じた。イエモンZIGZO自体には特に相関関係があるわけではないけど。コロムビアが輩出するロック・バンドってそれなりのカラーみたいなのがあるような気もする。イエモンの更に前だとレッド・ウォーリアーズコロムビアだし。あ、EMIからの移籍だけど、ウイラードコロムビアで、TRIADから出していたな。

この、1stアルバムは一時期お気に入りでけっこう頻繁に聴いていた。重厚でプログレっぽい匂いもするオープニング曲の『Wonderful Day』 からまずかっこいいんだよね。『ひまわり』とか、何曲かはメジャー進行だけどどこか泣ける、で、なんか骨が太いっていう、“グラム・ロック進行”の作りで、それがオイラのアンテナに引っかかったのかな。”グラム・ロック進行”なんてコード進行があるなんて知らないけど。

そしてヴォーカル、Tetsuの歌い方がヴィジュアル系のそれ、Aメロでボソボソ歌ってサビでしゃくり上げるようなスタイルではなく、もっとロック・ヴォーカリスト然としたスタイルだったのが良かった。ネットでMALICE MIZER在籍時の動画を探すと、当時は完全にヴィジュアル系の歌い方だけど。

1stに関して、一般層にまでブレイクするには歌詞が難解なのと、ロックの空気を出しすぎて音がガシャガシャと、常にオーヴァー・レヴみたいな聴こえ方だったのが惜しいところかなあ。ロック好きとしては問題ないんだけど。比較的スローな曲でも音が暴れているから、息継ぎするヒマがない感じはする。でも曲の出来はどれも良かった。

これが2ndアルバム『Add 9 Suicide』 になると、ちょっと分らなくなっちゃった。曲の構成が複雑というか、AメロBメロ、サビの繋ぎがスムーズじゃなくて、本人達はあえてやってるのかも知れないけど、ポップスのフォーマットからは逸脱しているし、かといって難解なロックとして成立しているとも思えなくて、すぐに聴かなくなってしまった。

あ、そうそう。彼らのライヴは一度だけ東京国際フォーラムで観たことがあった。一曲、イントロを失敗して最初からやり直してたなあ。って、どんな想い出だよ。

フル・アルバムは2枚だけ残して2002年に解散した彼らが、来年再始動するらしいんだけど、ギャア!!解散から10年も経つんかよ!2002年なんて一昨日ぐらいの感覚だぜ!

時間が経つのは早いなまったく。

MONSTER MUSICMONSTER MUSIC

(1999/10/01)

ZIGZO

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