ジェフ・ゴールドスミス日記

ファッションとグルメ以外のこと。

イカルスの夢・組曲 作品4

国道にかかる歩道橋の上から、マクドナルドの店内が見える。そこでは女子高生のグループが談笑していた。今日見えたのは、たまたま女子高生のグループだったが、男子高校生のグループがいる場合もあるし、男女混合のグループがテーブルを囲んで楽しそうにしていることもある。

オラが街にマクドナルドができたのは何年前だったか。もう、軽く15年以上は経っていると思う。しかし、そこからさらに6~7年遡ると、オラが街にマクドナルドはなかった。電車に乗って2駅行かないとマクドナルド、及びその類のファストフードは存在しなかったのだ。

私が通っていた高校から最寄り駅までの道中、学生が気軽に入れる飲食店といえば、ラーメン屋ぐらいだった。

しかし、ラーメン屋はハンバーガーショップなどと比べて食事をする“という目的に特化した場所という感が強い。お一人様で入店し、カウンター席で食べたときには食後すぐに退店するし、座敷スペースに座っている家族連れも、食事だ済んだ後の時間は、満腹の腹を抱えたお父さんが爪楊枝で歯の間をシーシーしているのを待ちながら話をしているぐらいの場所である。食後の滞在時間が長いグループもいるし、かく言う私も長時間だべっていたことはあるが、やはり食”そのものの比重が高い。ラーメン屋の中で食後にイヤホンで音楽を聴きながら小説を読んだり、参考書とノートを開いて勉強していたりする人はあまりいないように思う。

では、私が高校生だったときに、友人宅以外で学生がタムロする場所は何処だったのか?

オートレストラン”。

そう、高校生が学校帰りに寄るのは、国道沿いのオートレストランであった。24時間営業、トラックドライバー御用達のスポットである。

飲み物の自動販売機、タバコの自動販売機があり、カップ麺の自動販売機があり、テレビゲームがあり、そして『グーテンバーガー』の自動販売機があった。嗚呼、グーテンバーガー

そこで我々男子高校生は、4~5人で集まり、自動販売機で買った飲み物を飲み、小腹が空いたらカップラーメンをすすったり、グーテンバーガーをほおばったりしていた。

うぅ…書いていたらなんか思い出して、グーテンバーガー食いたくなってきた。

私が属するグループだと、バンドの練習帰りにギターやベースを背負って寄ることもあった。そして正しい不良は、学校が目と鼻の先にあるにも関わらずタバコを吹かしていることもあった。ちょっと記憶が曖昧だが、そこに置いてあるテレビゲームには小学生の時ほど熱心に興じていなかったと思う。麻雀ゲームに金をつぎ込んでいる者もいたが、私はルールが分からないのでやらなかった。

あの頃の私は、大人になったら多くの金を稼ぎ経済を回し、人の役に立ちどんなときも自分の持つ最大限の能力を発揮しより良く生きる大人になるための準備期間として学生時代を送るでもなく、オートレストランの中で気の抜けた、怠惰な時間を過ごしていた。

いや、そんな頻繁にそこへ入り浸っていたわけではないが、今回書く記事の性質上、そうしておく。例えだよ例え。

とにかく、地元にマクドナルドがなかったあの頃、高校生がオートレストランにタムロするのは自然な光景だった。ただ、このオートレストランが今あるマクドナルドと決定的に違うのは…

女子高生は絶対寄り付かなかった。と、いうことである。

たまーーに居る女子高生といえば、不良グループの中心的存在であるカレにくっついてくるカノジョ。つまり、学年の姉御みたいな子が、脚を組んでゲーム機の前に座り男どもを静かに見守っているぐらいであった。

そんな昔のことを、マクドナルド店内に居る高校生を見ながら思い出した。

おしまい。

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(2001/04/04)

テレビ主題歌、松居直美

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