ジェフ・ゴールドスミス日記

ファッションとグルメ以外のこと。

悲しみモニュメント

Color / Ask The Angels (1989)

インディーズでの活動キャリア、実績があるアーティストがメジャーデビューすると、「変ってしまってガッカリ」ということが多々あったが、このアルバムはその最たるもの…ぶっっちゃけ一番酷かった。

1stフルアルバム『激突!!』、ミニアルバム『FOOLS!GET LUCKY!!』、さらに目黒鹿鳴館で無料配布されたシングルCD、『SANDBAG BABY』(大阪と東京、カップリング違いのものが配布された)と聴いていくうちに、その充実度の上がりっぷりから、その後の展開へ期待が高まっていた。

が、しかーし…メジャーデビュー直前からその予兆はあったんだよなぁ。ビートロック系よろしくスーツ姿で雑誌に載っていたり、デビュー記念の日比谷野音ライヴで先に披露されたか『シャミーズ キャット』が、今までにないようなポップソングだったり。

そんな不穏な空気を感じつつも、まだアルバムには期待していた。「策士DYNAMITE TOMMYのことだから、スーツ着てメチャクチャパンクでメタルな曲をやったり、ポップソングはふり幅として配置し、一方で超過激でバカ速い曲で攻めるつもりだな」とか。

そして、発売されたアルバムを聴いてみたら…ダメだった。まあ単純にBPMとしては今までのように速い曲もあるんだけど、どの曲も「なんでこうなった!」という感じで。

好きなバンドだし「これは、理解できないこっちのセンスが間違っているのか?」と何度か聴きなおしてみても…やっぱダメだった。

ただ、この変り様は、すべてバンドが悪いわけではない。

デビューにあたって景気良く『ロッキンf』の表紙を飾り、

アルバム発売にあたっての特集記事が組まれているが、その終わりのページに囲みの記事として、メジャーのレコード会社からデビューするにあたっての苦悩、状況に対する不満がTOMMYから語られている。デビュー大特集の中でレコード会社に対する不満を載せるって、よほどだったのだろうな。ちなみにレーベルはクラウン。

レコード会社にいろいろ言われてバンドがつまらなくなるのはよくある話。そこで「昔の良さがなくなった」と言われつつ、もっと大きなファン層を獲得してブレイクすることもあれば、そのまま失速、「デビュー前が一番良かった」となってしまう場合もある。

レコード会社もまあ売るために良かれと思ってやっているんだけど…なんでしょうね、結局…大人は信じるなっつうことでしょうか?

ASK THE ANGELSASK THE ANGELS

(1989/12/05)

COLOR

商品詳細を見る