ジェフ・ゴールドスミス日記

ファッションとグルメ以外のこと。

Mercy For The Rabbit

明けましておめでとうございます。

目の前に広がる2011年という大海原。今年はどんな冒険が待っているのだろうか…

冒険なんてしてないけど。

今年は鍋に入ったお雑煮の火加減を気にしつつ、初日の出を迎えた。 だし汁の匂いを感じながら白んでくる東の空を見ていると、ニョキリと初日の出が顔を出し、そこから一気に世界が明るくなる。

 

そして雑煮は完成した。

投入する具材について、鶏ムネ肉、小松菜、カマボコ、ニンジン、焼餅、三つ葉といった基本的なところはおさえた。元日なので基本に忠実にしようと思っていたのだが、余っていたコンニャク、しめじ、ジャガイモも入れてしまった。ジャガイモはGI値の関係でひとつしか食べられない餅を減らした分の調整で入れた。…のだが、それならサトイモにすればよかったか。まあ味は悪くなく、そんなに突飛な組み合わせという感じではなかった。雑煮にジャガイモという地方ってあるのか?

 

日の出を待ちつつ雑煮を作りつつだったので、家を出るのが遅れてしまった。浅草到着は9時半過ぎになった。できれば8時台に来たかった。人は多くなってきているが、まだゲロ混みという感じでもなかったので、突入しても大丈夫と判断し、雷門から仲見世通りに入る。

混雑しているが、仲見世通りはまだ流れていた。横入り防止のバリケードもまだ開放状態。じっくり見ていると後から来る大混雑に巻き込まれそうなので、とりあえず先を急ぐ。まあじっくり見るつっても、ここは年に何度も訪れるからいいや。

いつの間にか、仲見世通りからも起動エレベーターがかなり見えるようになっていた。

並んで待つことなく、参拝できた。

手を合わせ、新年の願いをかける。「もう、これ以上悪いことが起こりませんように!」

去年はカモフラージュ仕様だった浅草寺だが、今年は生身であった。

あ~、祭りのジャンクフード食いたい。食いたいよ~!でも、食ってたときだって一度につきひとつしか買ってなかったけど。

 

 

浅草から浅草橋、上野と抜けて湯島天神まで歩いたが、元日にこの徒歩移動はあんまし意味なかったかも。時間がかかっただけのような。

湯島天神はすでに入場規制がかかり、階段で列が止められ順番に入れられる。出るときに、ふと後を振り返ると、境内の梅が目に留まった。

湯島から地下鉄を乗り継いで九段下へ。靖国神社に行くのだが、その前に靖国通りの坂を逆方向へと下り、マクドナルドで昼食を腹に入れることにした。

喫煙席が半分近くの面積を占める店内で、禁煙席も多数空いていたが、小さい木製の椅子しか空いておらず、ここでもまた、元日早々スペース問題に直面するのは嫌だと思い、ソファ席が空いていた喫煙席に座る。そこでエビフィレオバーガーを喰らっていると、私の斜め前に位置に座っている女性が、箸を使って何かを食べているのが彼女の肩越しに私の目に入ってきた。

「ん?今何か、和風のメニューなんか売り出していたかな?」と思った次の瞬間、私は自分の視神経に突き刺さる視覚情報の異様さに戦慄した。

私の目に飛び込んできたのは、おそらく靖国神社で買ってきたのであろう、初詣の露店で売られている“お好み焼き”であった。あまりの衝撃に起こる激しい動悸と手の震えを必死におさえつつ、私が今やるべき自分の食事を続けていると、今度はヒョロリと伸びた何本もの足が見えた。「…“イカ焼き”かよ。今度はイカ焼きかよ」

どうやらコーヒーとデザート的なもの(マックフルーリー?)はこの店で購入したもののようだ。

私は遠くなる意識の中、心の中で彼女につぶやいた。

「明けまして、おめでとう」と。

嗚呼、元日ネタの記事にも関わらず、またこの類の描写に一番文字数を割いてしまった。

 

深夜ではなく昼に来るようになってから何回目になるだろう。大鳥居をくぐり、左右に並ぶ露店を眺めながら進む。何人もの参拝客が、大鳥居と参道の様子、両方を入れつつ記念撮影をしようとし、「ダメ~、真っ暗になっちゃう」と悪戦苦闘していた。だから、なるべく地面を入れろって!快晴の空ばっか入れたらダメだつうの。

靖国神社では、去年の御守りを返してきた。元日も午後の陽射しといった頃になると、気分的に少し寂しくなってくる。1月1日なのでまだ正月イベント気分の真っ只中だが、年末から続いてきた、地上から少し足が浮いた感じの高揚感のゴールが、遠くに見えてくる気がして寂しくなる。

 

日本武道館に向かうと今夜はT.M.Revolutionのライヴだった。すでに物販は超超超超長蛇の列となっている。

日差しが強く、暖かくなってきたのでどこかに「座ってペプシでも飲むべぇか」と思ったが、買おうとした自販機が小銭を何度入れても受け付けなかった。元日早々私は受け入れられなかったのだ。仕方なく別の自販機でブラックコーヒーを買い、北の丸休憩所外にある椅子に座り、武道館から漏れ聴こえてくるリハーサルの音を聴きながら飲み、元日徘徊の締めとした。

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(2006/11/22)

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