ジェフ・ゴールドスミス日記

ファッションとグルメ以外のこと。

インヴェイジョン・オブ・ユア・プライヴァシー

綿貫智仁 / リストラなう!

まず、届いた本の厚さを見て少し驚いた。あの、2ヶ月間の文章をまとめるとこんな分厚い本になるのか。計算すればわかるだろって話もあるが、ブツを手にした実感として。

・・・もちろんたぬきち氏が書いたエントリーだけでなく、それのコメント欄についた各コメントも含めての物量になるワケだが。

我輩が『たぬきちの「リストラなう」日記』を読み始めたのはいつぐらいからだっけな?たぶんこのタイトルになってからそう日が経っていない時点で読んでいたと思う。Web上のどのツールから見つけたのかは忘れた。ツイッターかもしれないし、誰かのブログ経由かも。

元々別のタイトルでつつましく運営されていた身辺雑記ブログだったが、ブログ主のたぬきち氏が会社の早期退職に応募し、退職の日までを赤裸に実況してゆくようになると、識者がツイッターで取り上げたり、集客力のあるブロガーが話題にしたり、そこからさらに一般の人たちのツイート、ブログ記事と拡散してゆき、ネットニュースなどでも話題に(2ちゃんに晒されたのもあるか)・・・ブログ主が大手出版社勤務だったこと、今までの給与の高額さ、出版業界の現状、電子書籍と今後の出版業界のありかたが議論される今、ipad上陸のタイミング・・・と、様々な要因が重なって1日何万人もの人が閲覧するようになったワケだが、瞬時にそんな爆発的に規模が大きくなって読まれるのは今のWeb環境、ソーシャルメディア時代のダイナミズムとゆうことか。

紛糾するコメント欄や、それに答えてたぬきち氏が次のエントリーを書くこともあったのは紙媒体よりリアルタイム感、ダイレクトなコミュニケーションがありエキサイティングだった(コメント欄には建設的な議論、的を得た意見もあれば、今までの、たぬきち氏の高給や手厚い退職金に対する嫉妬や言いがかり的なもの、理論の飛躍、噛み合わない議論もあるので、エキサイティングではあるが読んでいて無条件に楽しかったかどうかは別問題)。

ブログに書かれていた出版業界やたぬきち氏のいた会社が陥った様々な問題、残る、残らざるを得ない人の立場、電子書籍と出版文化のこれからなどについては長くなるので、ここで言及するのはやめておこう・・・とゆうのはウソで、単にちゃんと検証してツッコミどころのない文章を書くのがメンドクサイとゆうか出来ないのでやーんない!

ただアレだな、ちょっと話はずれるかもしれないが、先日の隅田川花火大会に行くにも、我輩は『TokyoWalker』や『夏ぴあ』『花火ぴあ』をめくるのと同列に、検索で引っかかった何処ぞの誰が書いたかも知らない個人ブログから情報を集めて活用したりしているのだった。

Webで個人が発信する情報には、発するまでのハードルが低い分、間違った情報、ウソの情報、間違ってはいないが取るに足らない情報などのノイズが少なからず浮遊しているが、役に立つ情報も多く存在し、実際に今回役立った情報もあったのだ。アンテナを張り、得た情報の取捨選択を間違わなければ無償で書かれて無料で手に入るものが多大なコストで作られて流通する有料なものと同列に活用できるとゆう・・・

今更だけど、ん~それって・・・

ともかく、この『リストラなう!』は、扱われている問題への興味もさることながら、その文章の面白さ、吸引力で最終回のエントリーまで読み続けてしまった。

ただ、書籍化されたモノに関しては、内容は掲載できなかったコメント以外ほぼ同じなのにどこか温度差を感じてしまうのは、Webに比べて即時性が失われているからなのか。紙に印刷されたモノはコメント欄につくコメントが増えるわけもなく、新たにエントリーが書き足されることもないのだ。

・・・そんな遠い昔のことじゃないのに遠い目。

今回送られてきたこの『リストラなう!』・・・そう、我輩が投稿したコメントが掲載されていたので献本していただいたのだが(タダで本をもらったからヨイショして好意的に書いてるワケじゃないよ)、いままでこのブログに書いたことと本に掲載されているコメントをよーく刷り合わせればどれが我輩の発言か分かったりするかもしれないが、まーそこまで我輩に興味ある人間もいないだろっつうことで今日はこのへんでグヘヘっ!

リストラなう!リストラなう!

(2010/07/29)

綿貫 智人

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