ジェフ・ゴールドスミス日記

ファッションとグルメ以外のこと。

C-Girl

初めてデランジェを観たのは1987年7月、埼玉会館大ホールにて開催された 『HEAVY METAL DAYS Vol.6 』だった。

覚えているのは、当時まだ数本のデモテープと1枚のEPしかリリースしていないにもかかわらず、バンド名がコールされると大歓声が起こったこと。

ギタリストのCIPHERはグラマラスなルックスで極端に低く構えたレス・ポール・モデルを掻き毟る、それまでのジャパメタ・シーンにないタイプだと思ったこと。

ヴォーカル、DIZZYの「俺達と、イケナイことしようぜぇー!!」とゆう煽りMC・・・

(音源を持っていない状態でのファースト・コンタクトだったので演奏した曲に関しては殆んど思い出せないが、この「俺達と、イケナイことしようぜぇー!!」のMCがあったとゆうことは『SADISTIC EMOTION』もやったと思う。そして、この年の2月に発売されていたEPの曲、『GIRL』も演奏した・・・と、思う。・・・多分。)

デランジェ / ガール (1987)

D'ERLANGER / GIRL

とにもかくにも、まるで早回しをしたように曲が速い。

速さに関しては当時、既にスラッシュメタルやパワーメタル、日本においてはスピードメタルとゆうカテゴリーもあったりして、BPMで驚くこともなかったが、このEPに収録されている2曲は、複雑な展開や押し引き、泣きのメロディもなく、ただただ速いとゆう・・・つねにマックスの状態。

ギターとベースの音が左右両極にパンニングされており、まるでステレオ録音初期の時代に戻ったようなミキシングで、「どうもそれをあえてやっているっぽい」ところがセンスを感じさせた。

CIPHERのギターリフは右手が攣ってしまうような忙しさ。ギターソロは美しい旋律がどうこうより、ただ単に指をメチャクチャに速く動かしているようで凄い。

DIZZYの歌は吐き捨てるような“べらんめえ調”。歌詞は卑猥で、ある意味文学的でもある。

TETSUの前任であるSHI-DOの、“バスドラ1分に何回踏めるか競争”のようなドラム。

そんな中、SHEELAのベースは上に下によく動き回り、コード感を出している。

 

B面の『UP YOUR US!』も、「バンドの違った一面を見せよう」といった気がまったくない、A面以上に破れかぶれな高速ナンバー。

このEPの2曲には、まるで突然交通事故に合ったようなインパクト、ハチャメチャで未完成な魅力があり、「このバンドがフルアルバムを作ったらいったいどうなるのだろう?」と想いを巡らせたが、その後、この『GIRL』のような音楽性で音源が作られることはなく、バンドはメンバーチェンジを経て新たな方向性に進んでいった。

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(2010/03/24)

D’ERLANGER

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