「ジャジャジャッ!♪」
と・・・ギターのワン・フレーズで、アリーナやスタジアムを満員にした聴衆のアドレナリンを過剰分泌させてしまう曲。
AC/DC『地獄のハイウェイ/Highway To Hell』がそれだ。
AC/DC / 地獄のハイウェイ(1979)
AC/DC / Highway To Hell
ライヴ音源を聴くとそれがよく分かる。
アンガス・ヤング「ジャジャジャ!♪」
聴衆「ウォーーッ!!」
・・・と、いった具合である。
次にドラムが入り、歌が重なり、Aメロを歌い終わろうとするところでサイド・ギターとベースが同時に入り音の壁が現れる。そこからサビの大合唱に突入。
これはもう、聴衆はかなりワイルドな気分になってしまうに違いない。
・・・ん?なんか似たような経験をしたことがあるぞ?
キース・リチャーズ「ジャージャジャ!♪」
聴衆「ウォーーッ!!」
・・・ザ・ローリング・ストーンズ『スタート・ミー・アップ(Start Me Up)』だ。
この2つの曲のイントロには、聴いている人間に対して似たような効果があるのだろうか。
よく聴き比べてみるとキーが違う。・・・のは、すぐ分かるとして、『地獄のハイウェイ(Highway To Hell)』のギター・リフは3拍と半分で入ってくる。
対して『スタート・ミー・アップ』でキースのギターが4拍と半分から、小節をまたいで入ってくる。
(2周り目からは「ジャジャジャッ♪」と小節頭からに変化する)
そこがオーストラリアのバンドとイギリスのバンドとの違いなのだ。
オーストラリアの風土がアンガス・ヤングに、3拍目と半分のところからSGの弦を弾かせたのだ。
・・・ってゆうのはたった今思いついた完全な出まかせなんだけど。
ベェ~~~~っ!
ストーンズのライヴに行く度に「嗚呼、ずっとこのままでいさせて~!」
と思ってしまうのは、良い曲と、極上なエンターテイメントとして完成されたステージとゆうことは勿論あるが、キモはチャーリー・ワッツのドラムだ。
ロックンロール・バンドにあってスウィングするチャーリーのドラム・プレイ。
それにキースのギター・リフをはじめとするバンド・サウンドが乗っかって、永遠に身を任せていたいようなグルーヴが発生するのだ。
だから毎回、来日する度にライヴに足を運び幸せな気分になる。
一方のAC/DCはどうか?
フィル・ラッドのドラム、クリフ・ウイリアムズのベース。「ドスッ!バスッ!」・・・と、この2人のリズム隊はとてもシンプル。鉄定規を使って極太マジックで引いた直線のように真っ直ぐだ。
その上にアンガス&マルコム・ヤングの尖ったギター・リフが乗る。
アンガス・ヤングのSGも角みたいに尖っている。
さらにそこで歌うボン・スコットは金切り声だ。
ボン・スコット亡き後、‘80年以降歌っているブライアン・ジョンソン。どちらにしても金切り声だ。
そのような個々の音が重なって発生する音のウネりはかなりタフで、ソリッドだ。
だからパンク・ムーヴメントの嵐も彼らには逆風にならなかったのだろう。
AC/DCのグルーヴには、まるで朝起き抜けすぐに闘魂ビンタを何発も入れられるような刺激がある。
そんなAC/DC、実際に生で「ジャジャジャ!♪」・・・を聴いたら自分はいったいどんな気持ちになるのだろう?
いよいよ今月に迫った来日公演で確認する必要がある。
地獄のハイウェイ(紙ジャケット仕様)
(2007/12/19) |
Highway to Hell
(2003/02/18) |