渋谷陽一 / ロック ベスト・アルバム・セレクション (1988)
高校生ぐらいまではリアルタイムで聴こえてくる音楽を追うのに精一杯で、過去に遡って掘り下げるということはほとんどありませんでした。
その後、好きな日本人アーティスト、例えばレッド・ウォーリアーズとかZIGGYとかがルーツとして挙げていたストーンズや第一次黄金期のエアロ、そしてグラム・ロック等を聴くようになりますが、その系統以外のロックなど、さらに視野を広げるのに大変役立ったのがこの本です。
1962年のジェイムス・ブラウン『ライヴ・アット・ジ・アポロ』から1987年、U2『ヨシュア・トゥリー』まで、ロック黎明期から'80年代まで、ロック、ポップス、そしてソウルやファンクといった黒人音楽の主要なアイテムが年代順に見開きで紹介され、それぞれ関連作品が2~3付くとゆう構成。
オルタナティヴ、グランジ、ヒップホップ以前のモノを網羅しています。
アーティストの簡単な紹介から、当時のシーン等の背景、サウンドや詩における聴き所が分かりやすく書かれています。
著者の芸風として、所謂へヴィ・メタルや産業ロックっぽいモノはほとんど掲載されていません。ヴァン・ヘイレンは載っていますが、これはアメリカン・ハード・ロックとしてとゆうことですね。
19、20歳ぐらいからの数年間はバイヤーズ・ガイドとしてかなりこの本のお世話になりました。
この本が無かったら今聴いているアーティストのいくつかは出会っていないかもしれないし、聴くのがもっと遅くなったかもしれません。
思えば自分は世代的に、20歳ぐらいになって高校生のお小遣いより多くのお金を音楽に使えるようになるのと、メディアがアナログ・レコードからCDに移行して過去の作品がどんどんCDとして再発され、入手しやすくなったのがほぼ同じタイミングなんです。
そんな中、この本を参考にCDを購入し、さらに購入したCDから枝葉を伸ばし20代はCDの在庫がどんどん増えていきました。
そんな、学校を卒業してからの教科書、参考書のような本ですね。これは。