ジェフ・ゴールドスミス日記

ファッションとグルメ以外のこと。

夏は目の毒・恋の毒

モット・ザ・フープル / すべての若き野郎ども (1972) / 革命 (1973) 

Mott The Hoople / All The Young Dudes / Mott

あのさぁ、前から思ってたんだけど・・・

ロックの名盤を挙げるディスク・ガイドなどでモット・ザ・フープルの代表作、グラム・ロックの名盤といえば必ず『すべての若き野郎ども(All The Young Dudes )』となっているんだが、冷静に聞き比べると次の『革命(Mott)』の方がいいように思うんだが、どうでしょう?

『すべての若き野郎ども』はデヴィッド・ボウイ作曲の表題曲がグラム・ロック・アンセムとして輝いているが、1曲目の『スウィート・ジェーン(Sweet Jane)』はヴェルヴェット・アンダーグラウンドのカヴァー、他のオリジナル曲は結構地味で、アイランド・レコード時代の作風をまだ引き継いでいるようにも聞こえるんだなぁ。

対して次に発表された『革命(Mott)』は音も太くなり、グラム・ロックらしいキラキラしたメロディも開花している。

ボウイの後押しで窮地から復活、ヒットを出した自信がそうさせたのだろうか?

『メンフィスからの道(All The Way From Memphis)』『ホナルーチ・ブギ(Honaloochie Boogie)』の2曲が特に素晴らしく、メジャー・キーでポップ、でもどことなく儚げ、単に明るいだけでなく少し哀愁が漂ってしまう感じで、イアン・ハンターの歌声がまたさらにキュンとさせるのだ。

このポップさは次作の『ロックン・ロール黄金時代(The Golden Age of Rock N Roll)』に収録される表題曲『ロックン・ロール黄金時代(The Golden Age Of Rock N' Roll)』や『土曜日の誘惑(Roll Away The Stone)』あたりにも反映されている。

なのでアルバム単位で聴くときは『革命』の方が多いのだけれど、もちろん『すべての若き野郎ども』が大きなターニング・ポイントになったのは事実であります。

Mott the Hoople - "All The Way From Memphis (live)"

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